plusnineのブログ

自分の趣味に関する話を書いていきます。メンエス体験をメインに他の話も。

またまた雑談〜馬の話




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うーん。メンエスブログではなく雑記ブログに変えようかなぁ...w




というわけでネタが見つかるまで他の話を。





自分がとても好きな話があるのでそのご紹介。







表題にあるように馬の話です。

馬といっても競馬の話ではありません。






オリンピックの馬術競技のお話です。




1932年のロサンゼルスオリンピック。その馬術競技に参加した中に、陸軍騎兵学校の城戸俊三中佐と馬の久軍(きゅうぐん)号のコンビがいました。



城戸騎手と久軍




元々、久軍は前回の1928年アムステルダム大会にも城戸騎手と参加し総合競技を完走したベテラン。この1932年の時点で馬齢19歳。人間に例えるなら70歳から80歳の老馬でした。




ところが、馬術競技の2日目。種目はクロスカントリー。今のオリンピック馬術競技と違い、自然に近い状態の30キロ以上のコース。さらにここに50以上の障害を超えなければいけないスタミナが求められる種目でした。





日本チームからエントリーしていた馬が体調不良で参加出来ず。また補欠として連れてきていた馬も同じく体調不良。結局チームキャプテンだった城戸とベテランの久軍が参加することになりました。






城戸騎手は1番出走でスタートします。すると、なんと終盤までノーミスで障害をクリアしていきます。遠い日本から来た、しかも老馬ということで馬鹿にしていた観客も盛り上がります。




しかし、最終障害を前にして城戸騎手は久軍の異変を感じとります。息も絶え絶え、全身から汗を吹き出し、鼻孔は開ききっています。城戸騎手は知っていました。





馬の習性として。

馬には絶命するまで走り続ける、という本能があるそうです。





その時城戸騎手は悟りました。



「もしこのまま走り続けたら確実に久軍は死ぬ」



しかし、自分は国の代表として来ている。



当時のオリンピックは今以上に国の威信をかけて参加していました。また、戦車や飛行機などの最先端の兵器が登場してはいたものの、まだまだ馬が戦争でも使われていた時代。馬術競技というのはある意味軍事力の誇示にもつながったようです。





それでも。

城戸は馬から降り棄権を選択しました。競技を中止して、なお走り続けようとする久軍を制止させました。




観客からすれば意味がわかりません。疑問と怒号が飛び交う中...




城戸騎手が久軍をよくやった、と言わんばかりに撫でてやると。久軍も応えるかのように城戸騎手の胸に何度も鼻を埋めてきたそうです。まるで「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝りながら泣いているかのように。





その光景を見た観客たちはようやく気づきます。城戸は疲弊した馬のために走行を止めたのだ、と。




そのことは大きく話題となります。当時ロサンゼルスで発行されていた、北米で現存する最古の邦字新聞『羅府(らふ)新報』に「熱涙を呑んで 城戸少佐 馬を救う 最後の障害で棄権」との見出しで書かれています。





その大きな出来事にアメリカの人道協会が動きます。





愛馬精神"に徹した城戸騎手と久軍号のエピソードにアメリカ人道協会は、1934年に城戸騎手の行為を讃え、2枚の記念碑を鋳造します。







1枚はカリフォルニア州リバーサイド郡リバーサイド市にそびえるルビドー山にある「友情の橋」に取り付けられ、もう1枚は同じくリバーサイド市内のホテル「ザ・ミッション・イン」に保管されます。




その記念碑には漢字で


「情けは武士の道」


と刻まれています。





その後時代は第二次世界大戦に突入します。

本来なら敵国日本の文字、さらには日本の思想を讃えるような石碑は廃棄されてもおかしくありません。




しかし、城戸騎手と久軍に罪はないのだからと保存が決まったそうです。そしてそれは戦後に日米友好の証となり、今も語り継がれているそうです。





ちなみに。その石碑の一枚は今もルビドー山の友人の橋に埋め込まれています。






ただもう一つ。ホテルに寄贈された石碑は1964年の東京オリンピックの際に日本に送られました。そして現在は秩父宮スポーツ博物館に保管されており、私達も見ることが出来ます。




現在の私たちには、武士道と言われてもピンとこないかもしれません。でもこういった愛護精神をもっている国民性は是非忘れないでいたいものです。




ではまた。


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