過去の話〜お酒について
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皆さん、意中の人を誘う時になんて言いますか?
良かったら今度飲みに行きませんか?
定番の誘い文句ですね。単なる食事を一緒にする、ということ以上に...お酒が入る事でよりフランクになる、または、ガードがゆるくなる、といったところでしょうか?
自分はそこまでお酒が強いわけではありませんが、人並み程度には飲めます。むしろお酒は好きな方です。営業職の時は付き合いでよく飲みに行くことが多く、そこで色々な事を学びました。
特に今の時期は新入生、新入社員の歓迎会が多いですね。飲み会が頻繁に開催されているかと。
ただ最近はアルハラ、という言葉があるぐらい、無理に勧めるのは良くないという風潮になりましたが...。それでも、仕事にしても男女の関係にしても、やっぱり関係を深めるには飲めないより飲めた方がよいとは思います。
とは言えやはり。飲めない人に無理に飲ますのは言語道断ですし、女の子に強いお酒を飲ませて酔い潰そうとする輩は最低です。幸い自分が今まで関わった学生生活、会社等ではそういう人はいなかったのですが..
以前にBARでアルバイトをしていた事があり、そういうシーンを見かけた事があります。
ちょっと面白エピソードにもなるので、そのことをお話しようかと。
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当時自分が働いていた会社は休みが多く、しかも営業ノルマさえ達成していれば何と言われない会社でした。なので堂々と社長に、休日に友人の車屋でバイトしてる事も報告していました。
そんな中。住んでいたアパートの目の前に、個人経営のBARがありました。カウンターのみの8席ほどしかない小さい店で。まだ若かった自分にはかなりハードルが高かったのですが、意を決して店に入りました。
すると。なんと店長も若く同じ歳。意気投合して仲良くなり、ほぼ毎晩帰りに寄るようになりました。
ある時店長から、そんな毎晩来るならいっそバイトしたら?と誘われます。店長は一人で店を切り盛りしていましたが、お客さんが入ると何かあっても買い出しにも行けない、と。
仕事帰りに寄って、そこから23時ぐらいまで。時給は激安だけど、お酒と(高いのはダメ)おつまみ的な食事は出すとのことでした。晩御飯代は浮くし、バーテンダー、という職に憧れもあった自分は二つ返事でOKして、そこから一年半ほど働きました。
よく、女性が付き合ってはいけない男の職業3Bと言ったりします。バンドマン、美容師、そしてバーテンダー。でも一年半働いてモテるような美味しい展開は一度もありませんでしたw まぁ彼女がいたので当然なのですがw
さて、冒頭の話になります。
ある時お店に、40代ぐらいの男性と20代前半の女性がきました。
見た感じ明らかに新入社員の女の子を上司の男性が連れてきた、といった様子。二人とも少しお酒がすでに入っていた感じだったので、恐らく新歓飲み会からの2件目、という感じなのでしょう。
女の子は
「わー、私こういうお店初めてですー!」
と感激しながらキョロキョロ。
男性は得意げに
「まぁ社会人になったら、こういうお酒を楽しむ店も知っておかないとね」
と。
その後女の子はお手洗いに。
すると男性が自分を手招きして呼びます。
「ねぇちょっと、バーテンさん。悪いけどさ、この子に出すお酒、強いのにしてもらっていい?」
と。
当時の自分からしたら衝撃でした。本当にそういうことやる奴っているんだ、と。
その時女の子がトイレから戻ってきます。男性はこちらを見てニヤリと笑います。なんだかなぁ...と思いながらオーダーを取ります。
女の子
「うーん。これだとよくわからないですね」
BARにありがちなことですが、メニューにお酒の名前だけ記載されていて、説明がない、と。
自分
「甘いカクテルがよろしければ、まずはスクリュードライバーはいかがですか?オレンジをベースにした飲みやすいカクテルです。」
女の子
「ああ!聞いた事あります!じゃあそれでお願いします!」
男性
「じゃあ俺はソルティドックを」
思わずお前も甘いカクテル頼むんかーい!とツッコミそうになりましたが...ここで名案を思い付きます。
カクテルをあまり知らない方のために説明します。
スクリュードライバー:オレンジジュースとウォッカを3:1の割合で氷を入れたグラスに注ぎ掻き混ぜます。大体オレンジ90ml、ウォッカ30ml程度。
ソルティードッグ:グラスの縁に塩をつけて、グレープフルーツジュースとウォッカを2:1の割合で氷を入れたグラスに注ぎ掻き混ぜます。大体グレープフルーツ40ml、ウォッカ20ml程度。
ちなみにこの2つ、レディーキラーカクテルとして有名です。つまり女性を酔わせようとするカクテル、という意味ですね。どちらもウォッカを使うのですが、ウォッカは柑橘系の甘い飲み物と混ぜるとお酒の強さを感じにくくなるからです。
さて話を戻します。
いま説明したように。ウォッカはお酒の強さを感じにくいわけです。なので女の子には逆にメチャクチャお酒を薄くして作ってあげよう、と。さらには。男性の方には逆にメチャクチャ強くしてやろう、と。
スクリュードライバーを通常のウォッカの1/3程度しか入れずに出します。一口飲んだ女の子は
「えー!オレンジジュースみたい!美味しい!」
と。
そりゃほとんどオレンジジュースだものwww
さて、男性の方ですが。
ソルティドッグのウォッカの比率は1/2。これ以上ウォッカを濃くしたらカクテルの色から薄くなってバレてしまいそうです。そこで...
普段カクテルのウォッカはエリストフというフランス産のウォッカ(アルコール度数37.5%)を店では使っていたのですが...
ウォッカの種類を変えました。知ってる人は知っている、あの有名な...そうです、スピリタスに。
このスピリタス。アルコール度数はまさかの96%。ラベルには火気厳禁の記載もあるほど。自分もショットで飲んだ事がありますが、食道と胃が焼けるほど熱く感じて、今飲んだお酒が身体のどこにあるかがわかるほど強烈なお酒です。
男性にソルティドッグを出した頃には、女の子はもうすでにグラスを空けていました。
男性
「お酒強くないならそんなに一気に飲んだらダメだよー。」
女の子
「えー。でも美味しいんですもの。」
男性
「俺はお酒強いから全然平気なんだけどね。こんなの一気だよ」
と、出されたソルティドックを一気に飲み干す。あ!ヤバいと思ったものの、そのまま男性はグラスを空けてしまった。
男性
「なんかこれ辛いね」
とのご感想www
流石に気付いたかな?と思ったものの
自分
「あ、そしたらグラス縁の塩で調整してもらえると」
とよくわからないごまかし方をするwww するとグラス縁をレロレロ舐め回す男性。
男性はそれ以上何も言わなかったので、とりあえず女の子に次のドリンクのオーダーを取ろうと色々説明。そのまま10分ぐらい女の子と雑談をしていると...男性の様子がおかしい。
さっきまであんなに偉そうにお酒について語っていたのに、壁に寄りかかって眠りかけている。
自分
「お客様?お客様?大丈夫ですか?」
男性
「あ。うーん。なんか酔ったみたいだ」
自分
「いくら強くてもカクテルを一気飲みしたらダメですよ、あれ半分ウォッカなんですから」
男性
「うーん。今日は帰る」
そういってそのまま店を出て行ってしまう。
自分
「あ!お客様!」
女の子
「すいません、私が会計します」
そう言って女の子がお支払いしていました。心配なので外に出てみると歩道に座り込んでる男性。ちょうど通りがかったタクシーを止めて、男性を押し込んで帰らせました。
店長からは急性アルコール中毒になったらどうすんだよ!と叱られました。考えたら確かにそうです。とは言え...隠れて強いお酒を飲ませようとして...というのは許せません。
ちなみにその後しばらくして女の子が一人で店にきてくれました。男性は無事帰宅出来たそうですが、酔い潰れた事で奥様にガッツリ搾られたそうです。
その女の子はしばらく常連になってくれて通ってくれました。仲良くなってから、...実はあの時...と話したら爆笑していました。ちなみにその女の子、めちゃくちゃお酒が強く、多分普通に飲ませてもその男性より強そうだったので無駄な気遣いだったかもしれません。
ふと、飲み会の誘いがあったことから昔の事を思い出して書いてみました。皆さまもお酒のトラブルにはご注意を。
ではまた。