またまた雑談〜犬が起こした奇跡の話
例によってネタ切れw
なので、先日知ったアメリカでの出来事。あまりに奇跡的な展開のために「神の采配」とまで言われたニュースをご紹介。
アメリカのロードアイランド州での話です。話の主要人物となるのは犬のルビー。そのルビーを保護していたシェルター管理人の女性インマン。そしてルビーを引き取り警察犬部隊のパートナーにしたダニエル。
ルビーとインマンの話
ルビーはシェルターに保護された雑種犬でした。一般的にシェルターに保護された犬は、一時的にシェルターで預かり、里親が見つかれば引き取られていきます。
ですがこのルビー。やんちゃで落ち着きが無く、なんとすでに五回も里親に引き取られたのですが、その都度世話しきれないと返されてしまっていたのです。
シェルターの管理人だったインマンはなんとかルビーをしつけようとしますが、上手くいきません。インマンは焦っていました。これ以上ルビーをシェルターに置いておく時間はなかったからです。規定で一定期間引き取りが無かった犬は「譲渡不可」とされて安楽死させられることになっていました。
ルビーの命を救おうと奔走するものの、どうしても引き取り手が見つかりません。安楽死までの期限も後1日に迫っていました。
実際のルビーの写真
続いてダニエルの話
ダニエル(以下ダニー)は警察犬捜査部隊K9に憧れる警察官。しかし彼は生まれ持った障害により、なかなかK9の採用試験に合格出来ない。年齢制限があるため次の試験に受からないと採用のチャンスが無くなってしまう。そこで部隊長に直談判しにいくことに。
ダニーの努力を知っており励ましてくれた隊長だったが...。ここで決定的な事実を突き付けられる。そもそも本採用試験にはパートナーとなる相棒が必要だった。その相棒になる犬はいるのか?と。
通常警察犬はジャーマンシェパードが一般的でしたが...。血統書付きのジャーマンシェパードは高額で、ダニーにはとても買えませんでした。家庭を持ち子供が産まれたばかりなのもあり、ダニーにそんな余裕はありませんでした。
その時ある人からアドバイスをもらいます。
「保護シェルターに行けば、無料で犬を引き取ることができる」と。
急いで保護シェルターにダニーは向かいます。ここでついに主要人物の三人が出会うわけです。
ルビーの訓練
シェルターに到着し、管理人のインマンに事情を話すダニー。インマンは祈るようにルビーを引き取ってくれないかと頼みます。そして連れてこられたルビー。
首輪を繋がれながも暴れるルビーを見て、インマンは「これはだめかも...」と不安になります。警察犬はよく訓練されるために、落ち着きと頭の良さが求められます。これだけを見ていたら印象は最悪かもしれません。
しかし、それを見ていたダニーは違う感情が芽生えていました。ダニーが生まれながらに持っていた障害の一つに多動症というものがありました。(今はADHDと言われる事が多いですね)
いつも落ち着きがないと言われていた自分とルビーを重ねて、ダニーは親近感を覚えます。ダニーは決めました。
「この子にします。」
インマンは一瞬耳を疑います。
もう一度はっきりとダニーは言います。
「この子を引き取っても良いですか?」
もちろん!と喜びながら手続きをするインマンでしたが...ダニーに連れて行かれる時も大暴れしているルビーを見て心配になります。結局また返されるのではないか?ダニーとルビーを見送りながらそう考えるのでした。
自宅にルビーを連れて帰ってきたダニー。しかし奥さんはあまり良い顔をしません。奥さんが心配した通り、ルビーは大暴れして家の中をぐちゃぐちゃにしてしまいます。
翌日からルビーを訓練するダニー。やはり、全く言う事を聞かないルビー。訓練は数日行いましたが進歩は全く見られません。やっぱりダメかもと落ち込むダニー。そんなダニーに奥さんは言います。
「あなただって昔は努力しても上手くいかなかったじゃない?だから愛情を持って教えてあげれば、きっと上手くいくはず。」
奥さんに励まされたダニーは色々は方法を試そうと周りに相談します。そして保護シェルターを再度訪れました。
シェルターに訪れたダニーを見て思わずインマンはがっかりします。また返却なのか、と。しかしダニーの話を聞いて、一緒に良い方法を考えます。
そこで思いついたのが、ルビーの大好物だったソーセージを使う方法です。行かせたい場所にソーセージを持っていく、そして上手く行ったらソーセージをあげる。
この方法がピタリとハマり、ルビーも徐々に訓練内容を理解していきます。そしてルビーは段々と警察犬として訓練されていくのです。
迎えたK9採用試験。参加者で唯一の雑種犬でしたが...なんとルビーはダントツの成績で採用試験を突破します。無事K9のメンバーになり、夢を掴んだダニー。
しかしこれだけでは終わりません。
このダニーとルビーのコンビが奇跡を起こします。
神の采配
ある時に森林で10代の男の子が行方不明になりました。すでにK9のチームが捜索に入って36時間が経過していました。遅れて現場に到着したルビーとダニーのコンビ。
男の子の体力を考えると、恐らくもう数時間以内に見つけないと命の危険がある。隊長は考えます。ルビーの高い能力に賭けよう。ルビーの邪魔にならないように他のチームを引き上げさせ、全てをルビーとダニーに託します。
大人でさえ迷う広大な森林で男の子一人を捜索する。しかも他のコンビが捜索しても見つからなかった。でも、採用試験でとんでもない能力を見せたルビーなら、と一縷の望みを持って隊長は送り出します。
森林に入ったルビーとダニー。男の子の匂いを探して歩き始めます。ところが、すぐにルビーは反応し走り始めます。懸命に追いかけるダニー。しばらくすると崖の上で必死で吠えるルビー。いそいで駆けつけると...。
そこには崖下に転落して動けなくなっている男の子がいたのです。急いで崖下に降りて男の子の手当てをするダニー。無線で仲間に男の子の無事を知らせます。
男の子は頭を強く打ち、意識を失っていたものの命に別状はありませんでした。救急車が到着し、タンカで運ばれる男の子。そこに男の子の母親が、ダニーにお礼を言おうと近づいてきました。
ダニーは驚きます。母親としてそこにいたのは...
シェルターの管理人だったインマンだったのです。
インマンは息子の命を救ってくれたのが、あのルビーと知って泣き崩れます。もしあの時、ルビーの引き取り手がいなければ息子の命は無かったかもしれません。
この話は全米でも大きなニュースになります。シェルターで保護した犬が自分の息子を救ったとのことで、まさに「神の采配」だ、と。
これはNetflixで映画化されています。映画を見てから実話と知って色々調べました。
ルビーはその後も警察犬として活躍。発見した行方不明者は10人にのぼるそうです。
また、2018年の'Search and Rescue Dog of the Year' (今年優秀な遭難救助犬)に名前が刻まれました。更に”American Humane 2018 Hero Dog Award”(2018年のアメリカのヒーロー犬大賞)のファイナリストにも残っています。
ルビーとダニー
残念ながら2022年に病気により亡くなってしまったそうですが、ルビーの活躍は多くの人の記憶に残ることになりました。
動物系の話は泣けちゃうんですよね。個人的に大好きですw
ではまた。